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JavaOne 2004 in SF Report

 
 

7/1 最終日

 
 

今年の JavaOne も今日でおしまいです。4 日ぐらいの長さがちょうどいいです。これ以上長いと体が持ちません。

さて、今日聴講したセッションは

 

 
 

General Session

 
 
Java in Action

General Session では毎回 Java in Action というショートフィルムを流しています。Java のユーザを毎回 2 人づつ紹介し、かれらが Java のすばらしさを訴えるという感じになっています。

今まではユーザ企業の方ばかりだったのですが、今日は川原さんと Soto さん。Soto さんは JXTA や Looking Glass のマネージャーの方です。それにしても川原さんは大活躍ですね。

 

Gosling Java Stdio Enterprise
Greg Bollella Real Time JVM
PsiNaptic Weable PC
Character Recognition The Cafeinator
The Cafeinator Tシャツゲット

James Gosling

Gosling は自分のスピーチは行わないで、デモを紹介するという形式です。Gosling はだいたいこのパターンをとることが多いですね。

  • Java Stdio Creator
  • Java Stdio Enterprise
  • Real-Time Java Virtual Machine
  • Psi Naptics Jini & Bluetooth チップ
  • Wearable Computer

Creator はバリデーションのデモとページ移動のデモを行いました。3 回クリックすると次のページに飛ぶというものです。

Java Stdio Enterprise は UML からコードへのダイナミックな変換/逆変換を示していました。また、リモートでワークスペースを共有するというデモ。しかし、これらは Eclipse であれば、Plug-in でできているものなのでそれほど新規性は感じられませんでした。

Real-Time JVM は JSR-001 のリファレンスインプリメンテーションに相当するものです。今まで RI は TimeSys という企業が行っていたのですが、Sun が自ら JVM を作ったことがすばらしいです。デモはモータにつけられた 30 cm ぐらいの棒を振り上げて立たせるというもの。

モータ 1 つ、センサ 2 つで 5 ms ごとにセンサから情報をリードして、制御をしているそうです。同じ VM 上では Java2D のサンプルも同時に動作しており、GC がリアルタイムの部分に影響を与えないことを示していました。

このデモはパビリオンでもやっていたのですが、パビリオンでは見せてくれなかったこともやってくれました。このシステムは 2 台の Solaris で冗長化しているのですが、片方の Solaris のコンセントをいきなり抜いてしまっても、瞬時に制御の切り替えが行われ、システムが正常に動作し続けるというものです。

ところで、まったく関係ないのですが、このデモをした Greg Bollella さんは以前 IBM にいた方でした。IBM にいた頃はかっぷくがよかったのですが、なぜかすごい痩せてしまいました。そういうわけでパビリオンに Bollella さんがいたのに私はまったく気づかなかったのですが、Bollella さんの方から呼びとめていただいてはじめて気がついたほどです。

さて、次のデモは Psi Naptics というベンチャー企業がだしている Jini & Bluetooth チップです。Jini の Service Lookup Server が動作しており、iPaq からサービスを探して動作させるデモを行っていました。Jini は最近使われている事例が増えてきており、このデモもそれを示す一例ではないでしょうか。それにしてもここまで普及するのにずいぶん長い道のりでした。

最後の Wearable PC は単に Wearable というだけでなく画像認識や、音声認識、音声合成などが組み合わされているものでした。頭部に装着しているカメラに写った James Gosling を切り出して (手動です ^^;;)、正しく James Gosling だと認識することができていました。

さて、次はお待ちかねの T-Shirt コンテストです。今日は The Caffeinattors チームが作成したゴムの巨大スリングショットのようなものでした。

このとき T-Shirt をゲットできたのが日本総研の橋本さんです。スリングショットから直接ではなかったそうですが、それでも T-Shirt がゲットできるなんて幸運ですよね。それにしても日本総研の方たちは T-Shirt ゲット率が高いです。

T Shirt を配り終えた後に、今まで登場した 3 組の中から会場の反応で優勝者を決めることになりました。その結果

優勝 The Cyclist
準優勝 Visiomp
3 位 The Caffeinattors

という結果になりました。なぜか金の恵比寿が渡されていたのですが、Gosling はこれを仏陀といっていました。やはり欧米人にこの違いは難しいのでしょうか。

Panel

Open Source に関する Panel

以前より予告されていたように Java のオープンソース化に関するパネルが行われました。

パネルは次の 8 人。

  • Brian Behlendorf, CollabNet
  • James Governor, RedMonk
  • Justin Shaffer, MLB Advanced Media
  • Lawrence Lessig, Stanford University
  • Rod Smith, IBM
  • James Gosling, Sun Microsystems
  • Rob Gingell, Sun Microsystems
  • Tim O'Reilly, O'Reilly

Lessig 教授や Rod Smith を引っ張ってくるのはなかなかすごいですね。でも、それ以外の人は全然知らない人でした。司会は Tim O'Reilly。彼もオープンソースでは有名ですね。

はっきりいいます。パネルはつらい。英語が苦手な私にはここで話されていることがほとんど理解できていないと思います。それでも、感じられたことは議論がかみ合っていないのではないかということ。

コンパティビリティが必要だという意見に対し、オープンソースであれば問題ないという。しかし、どちらも説得力があったかというとそうでもないような気がしました。ソースが見られることが問題であるとしたら、Java はすべてのコードを公開しているのでその問題はないと James Gosling がいっていました。

私的には特に Java のオープンソース化は必要ないと感じています。ソースは見ることができるし、JRE であれば再配布はできるし。Bug Parada にバグ報告もできるし (それを直してくれるかどうかはあるとしても)。それほど J2SE であれば問題はないのではないでしょうか。

General Session の最後に来年の JavaOne が 10 周年であること、また 6/27 から 30 に行われることが発表されました。

 

 
 

Technical Session

 
 

今日はあまりセッションを聞けませんでした。個人的には Desktop Game Development とか 3D Application and Game Development with OpenGL なんかを聴講したかったのですが、時間がとれなくて...

午前に聴講した Scripting の話は、自分が如何にスクリプト言語のことを分かっていないかということをわkったというセッションでした。もうすこし勉強しないと。

Adavanced Java 2 Platform, Mirco Edition (J2ME) Runtime Features

初日の General Session の中で Time Lindholm が話をしていた KVM のマルチタスキングと、フラッシュメモリに関するセッションです。

今の CLDC/MIDP の実行環境は AMS が MIDlet を 1 つづつ起動するような感じになっています。そのため、アプリケーション間でデータのやり取りをするには何らかのシリアライズをしておく必要がありました。これはなかなか面倒なことです。その他にもバックグラウンド処理をしたいとか、マルチタスキングに対するニーズがあるようです。

個々の MIDlet は既存のコードのまま動作するようです。

個人的には個々の MIDlet 間のアイソレーションがどうなっているのかが興味のあるところです。内部的には JSR-121 の Isolate API を使用しているとのことでした。

メモリに関しては同一の VM 上で動作していることなので、Young Generations (複数形なのは、Eden と Suvivor を合わせていっているのだと思います) は MIDlet ごとに分離していないようです。

最後にデモを行いました。iPAQ と Zaurus でバックグラウンドで MP3 を流しながら、チェスをするというものです。

フラッシュメモリに関するほうは、メモリ中にバイトコードを持ち続けないで、その部分はフラッシュにおいてしまいましょうというものです。

通常はフラッシュメモリにおいておくのは JAR ファイルですが、ここではメモリ上に展開されたときと同じイメージをそのままメモリにおいてしまうという手法をとっています。

これを行うことによりメモリ使用量は 75 から 90 % も削減できるそうです。実行速度もそれほど低下はしないようです。すごいですね。

 

 
 

おまけ

 
 

今日で JavaOne もおしまいです。来年は 10 周年ということで、ぜひ参加したいものです。

今日の General Session で私の隣に座っていたのが、日経 BP の八木さん。八木さんはこんな記事こんな記事を書かれている方です。単に隣に座ったというだけですが、結構緊張してしまいました。

Chevy's

ちょうどランチの時間に Desktop Game Development のセッションがあったのですが、Sun の方と一緒にランチの約束をしていたので、当然ながらそちらを優先。セッションの方は Web に PDF があがったら、ダウンロードしようと思います。

さて、Sun のお二人の方と Moscone のすぐそばにある TEXMEX の Chevy's に行きました。去年、Sun のアジアパシフィック部門のパーティーがあったところです。ランチなので、それほどいっぱい食べるわけにもいかないですから、控えめにブリトー。でも、出てきたのは大皿です ^^;; ある程度は、予想できていたのですが。それほど大味じゃなくて、おいしかったです。

BarCode Reader BarCode Reader

今回の JavaOne ではいろいろと変なものが登場するのですが、右の写真もそんなものの 1 つです。これはバーコードリーダなんです。会場に入るときにわざわざバッジについているバーコードを読みこむのです。何でいまさらバーコードなんだろう。Sun は RF ID センタを作っているぐらいなんだから、RF ID にすればいいのにと思っているのは私 1 人だけではありませんでした。

それ以外にすごいものも見てしまいました。犬が JavaOne のバッジをつけて歩いているのです。それも大型犬のシェパード。びっくりして写真を撮るのを忘れてしまったぐらい。いままで、いろんな人が JavaOne に参加されるのを見てきましたが、犬ははじめて。もちろん、飼い主がちゃんと紐を持っているし、ちゃんとしつけられた犬のようなので全然平気でしたが。

右側の写真は General Session が行われた会場なのですが、いつもの JavaOne とは何かが違います。何だと思いますか。

正解は、プロジェクターがバックプロジェクターになったことです。いままではホール内に馬鹿でかいプロジェクターが鎮座していたのですが、それがなくなってすっきりしてしまいました。しかし、後ろから投影するため、ホールの奥の部分が使えなくなってしまい、ホールに入れる人が減ってしまうという欠点もあるようです。他のセッション会場もすべてバックプロジェクターに変更されていました (Marriott で行われていた BOF は除きます)。

これを Sun の石原さんにいったら、「普通、気づかないですよ」とすごく感心されてしまいました ^^;;

会期中 Java の歴史パネルに書き込みがなされていましたが、結局こんな風になっていました。かなりすごいです。日本語の書き込みもあります。ここの文字を読むのはちょっとつらいかもしれませんが、雰囲気だけでも。

BarCode Reader BarCode Reader BarCode Reader
BarCode Reader BarCode Reader BarCode Reader

 

JavaOne が終わったあと、みなで打ち上げにいきました。何人参加したのか把握できません。20 人ぐらいです。

場所は Moscone のすぐそばの Thirsty Bear というところ。多分倉庫を改造したのだと思いますが、レンガ造りで、なかなか雰囲気のいいところです。また、ビールを自家醸造しているようで、タンクがいくつも並んでいました。

今回アメリカに来て、はじめてちゃんとした肉を食べられました。ミディアムレアといったのに、どちらかというとミディアムウエルダンといった感じだったのはご愛嬌といったところでしょうか。

白いかけらを持っている写真は岸上さんなのですが、岸上さんが使っていた皿がいきなり割れてしまったのです。別に落としたとかぶつけたとかじゃなくて。こんなこともあるのですね。

BarCode Reader BarCode Reader BarCode Reader
BarCode Reader BarCode Reader  

 

それではまた来年。10 周年の JavaOne はどんな風になるのでしょうか。今から楽しみです。

 

(2004.7.1)

 
 
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