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Project Looking Glass
 
 

Project Looking Glass のインストールと起動

 
 

Project Looking Glass (以下 LG3D と略します) をインストールしてみましょう。以外に簡単ですよ。

ここでは LG3D の Release 0.61 を使用してインストールしています。今後のバージョンアップでインストールの方法も変わるかも知れませんので、ご了承ください。

  1. 準備
  2. 必要なソフトウェアのインストール
  3. Project Looking Glass のインストール
  4. デスクトップモードでの起動
  5. フルスクリーンモードでの起動
  6. 操作方法

 

 
 

準備

 
 

まず、LG3D がサポートしている用件を次表に示します。

項目 条件
OS Linux
(Java Desktop System Release 1/2, SuSE 8.1, Fedra Core 1/2, RedHat 9 がテスト済みだそうです)
グラフィックカード Open GL 1.2 以上をサポートしているもの。また色深度が 24 bit あるもの。
(nVidia GeForece 2 以後のもの, ATI Radeon 7500 以後のものがテスト済みだそうです)

LG3D の Getting Started with the Project Looking Glass Developer's Release には CPU が 2 GHz 以上と書いてありますが、全然気にしなくて大丈夫です。

それよりも少しでも性能の高いグラフィックカードを使用するほうがいいようです。

私は PenIII 800 MHz や Pen IV 1.6 GHz で動かしていますが、さくさく動いています。

ただし、なるべく最新のドライバを使うことをお勧めします。Fedora にインストールしたときにデフォルトのドライバと nVidia からダウンロードしてドライバでぜんぜんパフォーマンスが異なりました。

nVidiaATI の Web サイトからダウンロードできるので、アップデートしましょう。

ところが ATI のドライバはいろいろと問題があるようで、なかなかうまく動いてくれません。できれば、nVidia のカードを私はお勧めします。

次に色深度が 24 bit 以上あるか確かめてみます。すでに色深度を 24 bit にされている方は以下の説明はとばしてください。

色深度を調べるには xdpyinfo コマンドを使用します。ただし、このまま使うと他の情報も表示されてしまうので、grep します。

% xdpyinfo | grep "depth of root"
depth of root window:   24 planes

%

この値が 24 であれば OK です。

もし 24 以外の時は、/etc/X11/XF86Config もしくは /etc/X11/XF86Config-4、/etc/X11/xorg.con などの X11 の設定ファイルを編集するか、SuSE などで提供されている SaX2 などのツールを使用して色深度を変更してください。最近のマシンだったら大丈夫だとは思いますが...

 

 
 

必要なソフトウェアのインストール

 
 

LG3D で必要なソフトウェアは以下のとおりです。

  • Java 2 Standard Edition 5.0
  • Java3D
  • Java Advanced Imaging (JAI)

この 3 つのソフトウェアがないと、LG3D はインストールできません。

J2SE Developer Kit 5.0

http://java.sun.com/j2se/1.5.0/download.jsp

LG3D は J2SE 5.0 でしか動作しません。現在のバージョンは J2SE 5.0 update 1 です。

動かすだけであれば JRE でもかまわないのですが、LG3D を使って開発をするなら JDK をインストールしてください。インストールの方法は http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/install-linux.html にのってます。

インストールしたら環境変数をセットアップします。以下は sh/bash の例です。

# JAVA_HOME=/usr/java/jdk1.5.0
# export JAVA_HOME
# PATH=$PATH:$JAVA_HOME/bin
# export PATH

もちろん、.bash_profile などに設定してしまってかまいません。

 

Java3D

https://java3d.dev.java.net/

LG3D は 3D グラフィックに Java 3D を使用しています。Java 3D も LG3D と同時期にオープンソース化しており、java.net で公開されています。

LG3D で使用するのは Java3D のバージョン 1.3.2 以上です。まだ、ベータ版しか公開されていませんが、最新版を使用するようにします。2005/02 の時点では build 8 が最新です。

ダウンロードページ https://j3d-core.dev.java.net/servlets/ProjectDocumentList

ダウンロードページは左側にツリーが表示されるので、その中の [Z-OLD-Experimental_Builds] - [1.3.2-build8] を選択します。そうすると右側にテーブルが表示されます。このテーブルの中の java3d-1_3_2-build8-linux-i586.jar を選択してダウンロードします。

インストールは JDK をインストールしたディレクトリ直下の jre で行います。ダウンロードした java3d-1_3_2-build8-linux-i586.jar は /usr/java/jdk1.5.0/jre においてあるとします。また、以下の作業はすべて root で行ってください。

# cd /usr/java/jdk1.5.0/jre
# jar xvf java3d-1_3_2-build8-linux-i586.jar
# jar xvf java3d-1_3_2-build8-linux-i586/j3d-132-build8-linux-x86.jar

インストールした後は java3d-1_3_2-build5-linux-i586.tar.gz や java3d-1_3_2-build5-linux-i586 ディレクトリは消去してしまってかまいません。

 

Java Advanced Imaging (JAI)

http://java.sun.com/products/java-media/jai/index.jsp

JAI はイメージングのための API です。現在のバージョンは 1.1.2_01 です。

ダウンロードページ http://java.sun.com/products/java-media/jai/downloads/download-1_1_2_01.html

ダウンロードページにいくと、4 種類のパッケージがあります。この中で使用するのは JDK Install です。

ファイル (jai-1_1_2_01-lib-linux-i586-jdk.bin) を /uar/java/jdk1.5.0 にダウンロードしたとします。以下の作業も root で行ってください。

# cd /usr/java/jdk1.5.0
# /bin/sh jai-1_1_2_01-lib-linux-i586-jdk.bin

JAI もインストール後は jai-1_1_2_01-lib-linux-i586-jdk.bin ファイルを消去してしまってかまいません。

 

 
 

Project Looking Glass のインストール

 
 

インストールといっても、ダウンロードしてきて展開するだけです。

ダウンロードページ: https://lg3d-core.dev.java.net/servlets/ProjectDocumentList

Java3D と同様に左にツリー、右にテーブルとなっています。ツリーで stable_builds を選択します。現状 (2005.2 現在) での最新版は Release_0.61 です。ここをクリックしてファイル (lg3d-0-6-1.tar.gz) をインストールしたいディレクトリにダウンロードします。

ダウンロードしたら展開します。

% tar zxf lg3d-0-6-1.tar.gz

展開先は lg3d になります。たった、これだけです ^^;;

 

 
 

X11 のアプリケーションとして起動

 
 

ここまでくれば後は簡単です。

LG3D には 2 つの動作モードがあります。一方が X11 の普通のアプリケーションとして起動するモード、もう一方が X11 のセッションとなってフルスクリーンで起動するモードです。

まずは X11 の普通のアプリケーションとして起動してみましょう。

LG3D を展開したディレクトリが /home/sakuraba/lg3d だったとします。lg3d ディレクトリの直下に bin ディレクトリがあります。この中の lg3d-dev を実行します。

% cd lg3d/bin
% ./lg3d-dev &

これで LG3D が起動します。図のようなウィンドウが表示されたでしょうか?

Desktop Mode

もし表示されなかったら... /var/temp/lgserver.log にログが出力されているので、それを見てください。それぞれの問題については Getting Started with the Project Looking Glass Developer's Release のトラブルシューティングのところに対処方法がのっています。

このモードはあくまでも 3D アプリケーションの開発・テスト用のモードです。そのため、X11 のネイティブなアプリケーションなどは動かすことができません。実行できるのは LG3D API を使用した 3D アプリケーションだけになります。

3D アプリケーションを作るときのデバッグ用と考えればいいと思います。

ちなみにこのモードで起動される部分はすべて Java で記述されています。ということは Linux 以外でも動作するということです。私は Solaris/x86 の実行環境を持っていないので試せないのですが、Windows では動作させることができました。くわしいことは Windows で LG3D を動かしてしまおう をご覧ください。

 

 
 

フルスクリーンでの起動

 
 

せっかく LG3D をインストールしたのですから、普通のアプリケーションも実行してみたいですよね。

そんなときはフルスクリーンで LG3D を実行しましょう。

フルスクリーンはお使いの X11 セッションの代わりに、LG3D セッションを立ち上げる必要があります。これはディストリビューションによって異なります。とりあえず、ここでは私が使っている Fedra Core 2 の場合について説明します。SuSE などのその他のディストリビューションは Getting Started with Project Looking Glass Developer's Release をご覧ください。

忘れてました。Fedra Core 2 の場合 (その他のディストリビューションでも必要かもしれません) はちょっとした変更が必要でした。X11 の設定ファイル /etc/X11/xorg.conf (他のディストリビューションでは /etc/X11/XF86Config もしくは /etc/X11/XF86Config-4 かもしれません) を少しだけ編集します。

というのも Xorg 6.8 で X11 のキーボードの初期化が変わってしまったようで、そのままだと初期化ができなくなってしまうからなのです。

/etc/X11/xorg.conf にはマウスとキーボードの InputDevice セクションがあります。その中のキーボードの InputDevice セクションの中に次のような箇所があります。

Driver "keyboard"

この部分を次のように変更します。

Driver "kbd"

これで OK です。もちろん、この変更をおこなった後でも、通常のX11は問題なく動作するので安心してください。

さて、本題にもどりましょう。

Fedra は X11 のセッション管理に GNOME の gdm を使用しています。単に gdm を kill しても、自動的に再起動してしまうのでサービスをとめなくてはいけません。

それよりも簡単なのはランレベルを変更してしまう方法です。gdm はランレベル 5 だと動作しますが、4 だと起動しません。これを利用しましょう。

もちろん、以下の手順は root で行ってください。

# /sbin/init 4

そうすると、X11 が停止してコンソールに戻ります。

そうしたら、root でログインして LG3D がインストールされたディレクトリの下の bin ディレクトリに移動します。先ほどと同じように /home/sakuraba/lg3d にインストールしたとします。

# cd /home/sakuraba/lg3d/bin

次に lg3d-session を起動します。

# ./lg3d-session

そうすると X11 が起動し、LG3D がフルスクリーンで立ち上がるはずです。

Desktop Mode

 

 
 

操作方法

 

 

 

LG3D が立ち上がったはいいのですが、それだけじゃどうやって動かすのか全然分かりません。

右の図にあるようにスクリーンの下には青の半透明なバーがあります。これがタスクバーです。その上に左に 3 つのアイコン、右に 4 つのアイコンが示されています。

また、画面右上部には Java のロゴが示されます (これは背景によります)。

タスクバーにデフォルトで表示されているアイコンは左側の 3 つが次のような動作になります。

xterm xterm の起動 help ヘルプの表示
CD Viewer CD Viewer の起動    

それ以外のアイコンは lg3d-incubator プロジェクトで作られたサンプルアプリケーションのアイコンになります。

右側のアイコンは背景イメージの変更と終了アイコンになります。

Stanford スタンフォード大学 Leaf 葉っぱ
Grad Canyon グランドキャニオン Terminate LG3D の終了

まずは xterm を起動してみましょう。真ん中にウィンドウが表示されたはずです。もちろんフルスクリーンの時にしか xterm は起動できません。

LG3D は非アクティブなウィンドウは半透明、アクティブになると不透明に表示されます。また、アクティブになるとちょっとだけウィンドウが前に出てくるようになっています。

ウィンドウをちょっと動かしてみましょう。ウィンドウを動かすのは普通の X11 と同じでタイトルバーのところをドラッグします。ゆらゆらしておもしろいですね。背景もマウスの動きに応じてゆらゆらするはずです (グランドキャニオンと葉っぱの場合)。

この背景がゆらゆらするのを見て、3D 酔いしないでくださいね ^^;;

その他の LG3D に特有な操作について書いておきましょう。

アクション 効果
ウィンドウが表示されていないところで右クリック すべてのウィンドウがサイドに立てられた状態になる
立っている状態の場合は元に戻る
タスクバに表示されている縮小表示をクリック クリックされたアプリケーションがアクティブになる
立っている状態であれば、元に戻る
ウィンドウをスクリーンの端に接するように移動する ウィンドウが立つ
立っているウィンドウをクリック 元の状態に復帰する
Java のロゴの部分でマウスをドラッグする ドラッグに応じてウィンドウが回転する。
ただし、背景がグランドキャニオンと葉っぱのときのみ
ルートウィンドウの端の部分でクリック バーチャルデスクトップがパンする
ただし、背景がスタンフォードの場合のみ
タスクバーの上で右クリック バーチャルデスクトップの全面を縮小表示する
ただし、背景がスタンフォードの場合のみ
縮小表示した画像で拡大したい部分をクリックすると、そのデスクトップが表示される

X11 のアプリケーションは xterm から起動するようにしてください。ただ、まだまだ動作しないアプリケーションが多くあります。Xlib だけで作られたアプリケーションは大丈夫なようなので xeyes なんかは大丈夫です。

また、Java のアプリケーションを xterm から起動することもまだできないようです。

これらは開発者の方々も問題と感じているようなので、早急に改善されると思います。

Fullscreen Mode

(Aug. 2004)
(改訂 Sep. 2004)
(改訂 Feb. 2005 Release-0.61 に対応)

 
 
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